再発見 ハンドレッドアイランズ

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2017年3月18日

ガバナーズ・アイランドのビューポイントからは、360度広がるハンドレッドアイランドの島々のパノラマを楽しめる


マニラ首都圏からバスで約5時間、リンガエン湾に浮かぶハンドレッドアイランズはその名の通り100以上の小島が青い海に散らばった景観で知られる。ガイドブックには昔から掲載されているものの、人気のパラワンやセブ、ボラカイの影に隠れ気味。2016年末の年越しを海で過ごそうと向かったハンドレッドアイランズで、新調されたその魅力を再発見した。
パンガシナン州アラミノス市ルカップにあるハンドレッドアイランズは、1940年にケソン大統領によって国立公園に指定され、環境保全の対象になっている。近年の国内旅行ブームの波に乗り、観光資源として地域活性化に役立てたい市が、「ボラカイやパラワンに匹敵する観光地にしよう」と、過去数年でインフラの整備、美化を進めてきた。2016年初頭に、埠頭の目の前に新しい広場と駐車場を建設。同年9月には市観光課の出張オフィスを広場に設置し、警官も常駐させることで、観光客に利便性と安全性をアピールした。以前は交渉がベースだった島めぐりのツアー料金なども市が明確にルールを決め、周辺の宿泊施設やモーター付小舟オーナーを巻き込んで完全一律料金を徹底している。明瞭会計のため交渉で困らずにすむのが有難い。
大統領宣言に明記された公式な島の数は123個。このうちコテージや売店、トイレなどが整備された島めぐりの主な行先は、ガバナーズ・アイランド、バージン・アイランド、チルドレン・アイランド、ケソン・アイランドの4島。ガバナーズ・アイランドの頂からはハンドレッドアイランズ全体を一望できる。バージン・アイランドまでは遊歩道で海の上を歩けるほか、ジップラインやバナナボート、水上バイクなども準備されている。島々に囲まれた海にはスノーケリングポイントもあり、海底に横たわる無数の巨大なシャコ貝を見ることができる。4島以外にも洞窟見学や、10mほどの高さから海にダイブできる場所がある島があるので、船頭さんに聞いて連れていってもらおう。島のところどころで人魚像を見かけるのは、フィリピンで何度もリバイバルされている人気の人魚姫ドラマ「ジェシベル」の初代シリーズが、ハンドレッドアイランズで撮影されたからとのこと。
キレイに整備されている一方、島に人工の建造物が多く、生の自然を楽しみたいアウトドア派には少し物足りなさも残る。それでも家族や友達と大勢で海を楽しみたいフィリピン風アウティングにはもってこいだ。主要な島々は1日で十分回れる上、駐車場も整備されたため、夜中のドライブで早朝に到着し、島めぐりをして日帰りするグループも多いそう。マニラ首都圏から陸路で行くことのできる手頃なアイランドホッピング場所としておすすめしたい。
観光客用に整備された島の一つ、ケソン・アイランド。コテージが多数用意され、小さな売店もある。ここからバナナボートに乗ることも可能

観光客用に整備された島の一つ、ケソン・アイランド。コテージが多数用意され、小さな売店もある。ここからバナナボートに乗ることも可能


青空の下、埠頭にはアイランドホッピング用のモーター付き小舟がずらり

青空の下、埠頭にはアイランドホッピング用のモーター付き小舟がずらり


(上)小舟の特等席はなんといっても舳先 (下)青空の下、埠頭にはアイランドホッピング用のモーター付き小舟がずらり


ハンドレッドアイランズには洞窟も多い

ハンドレッドアイランズには洞窟も多い


深さが50cmほどしかないビーチが広がっているチルドレンズ・アイランド。名前の通り、小さい子供たちにぴったり

深さが50cmほどしかないビーチが広がっているチルドレンズ・アイランド。名前の通り、小さい子供たちにぴったり

Travel Guide  行き方・宿
首都圏ケソン市クバオにあるVictory LinerやFive Starのターミナルからアラミノス/Alaminos行きのバスに乗って約5時間。アラミノス市の中心部で降りて、トライシクルに乗り換え「ハンドレッドアイランズまで」と伝える。10分ほどでハンドレッドアイランズに行く小舟が集まる埠頭に到着する。
【宿】 埠頭周辺に宿泊施設が多数集まっている。一泊1500ペソほどから。どの宿もアイランドホッピング用のモーター付き小舟と契約しており、宿でツアーを申し込むことができる。ツアーなどの料金表はアラミノス市ホームページでダウンロード可能:
http://www.alaminoscity.gov.ph/index.html

◎ Navi Manila Vol.31 より
 

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