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2017年3月25日

本物へのこだわりがくつろぎを生む
「茶庵」
「プロの料理人ではないので普通のものしか出しません。でもお出しするのは本当においしい物だけ」と語るのは経営者の岩本典子さん。茶庵のメニューは、そぼろごはんや焼おにぎり、ざるそばなど、日本人が普段食べている「普通のごはん」が中心だ。しかし食材は厳選されている。無農薬のほうれん草や黒米、新鮮なオーガニック卵を使用し、フィリピンで育てたそば粉を原料としたそばは、日本食「たかし」の川崎シェフに依頼し作ってもらっている。
「お土産用のお菓子を作れるキッチンが欲しかったんです。」岩本さんは、以前日本とフィリピンを行き来していたが、自信を持って渡せるフィリピンからのお土産が無いのが悩みだった。そのお土産を作るキッチンを持つために2014年にオープンしたのが茶庵である。共同経営者のトニー・フェルナンデスさんは日本に留学し研究者として長く滞在した経験があり、日本文化や日本食の良き理解者でもある。せっかくなら畳のある店を、と提案したのもトニーさんだった。
茶庵には、八つ橋、白玉やかき氷、そして抹茶ラテなど甘党には嬉しいメニューも充実している。店内には茶道具や茶器が飾られ、畳のある座敷では表千家流の茶の湯体験もできる(要予約)。内装も武家の家の造りに見られる最低限の伝統を守り、床の間などの造りを自分たちで再現した。茶庵に入ると、一瞬マニラの喧騒を忘れ、日本にいるような錯覚を覚えるのは、その本物らしさのためだろう。
最近、新たにメニューに加わったのが日本酒。日本酒ははじめてという方でも試しやすい「テイスティング」のセットもあり、三種類のお酒の味を比べてみることができる。
もちろん当初の計画通り、素敵なお土産も購入できる。お洒落なパッケージのチョコレート菓子「チョコフィーノ」は、フィリピン産の高級チョコレートを使用し、ビコール地方の生産者から直接買い付けたピリナッツ、保存料無添加のドライマンゴーやイロコスの粗塩などを用いており、良い物を作りたいという岩本さんの思いが込められた宝石箱のような仕上がりになっている。
フィリピンの良い物を日本へ紹介しつつ、日本の文化をフィリピンの人たちにも体験してもらう、そんな文化の交差点が「茶庵」である。

“Zaan Japanese Tea House”
The authentic tea house in Quezon City
ふんわりした食感のかき氷。ソースは3種類から選べる


茶庵店内にしつらえられた座敷は、普段は足を降ろして座れるが、ちゃぶ台を除け蓋をすれば茶席として使えるように作られている


そばはフィリピンで育てた物を蕎麦粉にひいた物を特注


岩本典子さん。共同経営者のトニーさん夫妻とは日本で知り合った。


岩本典子さん。共同経営者のトニーさん夫妻とは日本で知り合った。


Zaan Japanese Tea House 「茶庵」
営業は午前11時30分~夜10時。日曜は午後5時閉店。
休日は大晦日、元旦、イースター、クリスマス、万聖節を除き無休。
電話 : 02-412-8465
GF Norfil Foundation Bldg. 16 Mother Ignacia, near corner Don Roces Ave., Q.C.
行き方:マザー・イグナシア通りにあり、ロセス・アベニューの角から西へ向かって約20mの左手の建物。駐車場あり。
◎ Navi Manila Vol.29 より

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