Filipino World フィリピノ・ワールド 第1回

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2016年12月5日

[フィリピン語  アレ・コレ]
Kumain ka na?(もう食べましたか)
___みなさん、こんにちは!Kumusta kayo? 今回から連載する「フィリピノ・ワールド」では、フィリピン語にまつわるお話しをお届けしていきます。第一回は“Kumain ka na?“(もう食べましたか)です。
___「クマイン・カ・ナー?」道を歩いていたら急にそう言われて、びっくりしたことがあります。九官鳥です。日本だったら、九官鳥には「こんにちは」とか「おはよう」って教えると思うんですが、九官鳥にまず教える言葉、フィリピンではそれも「クマイン・カ・ナ?」なんですね。これは日本の「おでかけですか」と同じで、一種の社交辞令とも言えますが、それだけに留まりません。もし 「クマイン・カ・ナ?」と言われて、“Hindi pa”「ヒンディ・パ(まだです)」なんて答えを返したら、それは大変、とばかりに食事を用意してくれること間違いなしです。ホスピタリティ(おもてなし)を美徳とするこの国では、お客様がおなかを空かせていたら、食事を提供しなければならないのです。逆に訪問客に「クマイン・カ・ナ?」と聞いてみて、「オオ・タポス・ナ」(はい、済みました)と言われても、本当かどうかはわかりません。家人に食事を用意させてはいけないと気を遣って、もう食べたって言ってるだけかもしれませんからね。
___フィリピンの人たちは食べることが大好きです。朝、昼、晩の3食の他に、10時と3時の “merienda” 「メリエンダ」(おやつ)を食べます。そう、一日5食の国なのです。そして日本のおやつと違ってメリエンダはパンシット(焼きそば)や餅菓子、揚げバナナなどの軽食を食べるのが普通。週末には家族、親戚が集まって一緒に食事をし、誰かの誕生日には皆で食事を食べてお祝いをする、それがフィリピンの文化です。ですから、「クマイン・カ・ナ?」が挨拶のように使われるのは、当然なんですね。
それでは皆さんも「クマイン・カ・ナ?」、ぜひ使ってみてくださいね。

文:デセンブラーナ悦子
日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。
現地紙で読む「フィリピン」
■  ドゥテルテ氏、「もしも死んだらダバオで永眠したい、英雄墓地は勘弁を」
Duterte prefers burial in Davao, not Libingan
President Duterte has no desire to be buried at Libingan ng mga Bayani in Taguig City. Mr. Duterte prefers to be laid to rest beside his parents in Davao City.
“There is no greater honor for me than to be laid to rest beside my mother and father,” he told reporters in Davao City when he visited his family’s mausoleum on All Saints’ Day. He rejected the idea of being buried at Libingan ng mga Bayani, the cemetery reserved for former Presidents, soldiers and heroes.
(Philippine Daily Inquirer / November 03, 2016)
ドゥテルテ大統領は、タギッグ市にある英雄墓地への埋葬を望まず、両親の墓があるダバオで永眠したいという考えを示した。万聖節の日にダバオの家族の墓を訪れた際、記者の質問に対し答えた。「父母のそばで永眠すること以上の光栄はない」と、兵士や大統領、国の英雄たちが眠る英雄墓地への埋葬の勧めを断った。


【ワンポイント表現】    Libingan ng mga Bayani「英雄墓地」。首都圏タギッグ市にある。
マルコス大統領の埋葬をめぐって議論。英語ではHeroes’ Cemetery。Family’s mausoleum「家族の墓」。All Saints’ Day「万聖節」。タガログ語では「ウンダス(Undas)」。ウンダスのほうが常用される。burial「埋葬」

 

◎ Navi Manila Vol.27 より
 
 
 

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