Filipino World フィリピノ・ワールド 第5回

この記事をシェア

2017年3月30日

Bahala na 「バハラ・ナ」
なんとかなるさ
フィリピン語  アレ・コレ
みなさん、こんにちは!Kumusta kayo? 今回取り上げるのは、Bahala na(「バハラ・ナ」=なんとかなるさ)です。これまで自分の力で頑張ってきたが、あとはBahala na、何とかなるさ、というときに使います。英語のLet it beに似た表現です。フィリピン人の楽天的な思考はこの「バハラ・ナ」に基づいているんですね。
「あとは神様にお任せ」が語源
このbahala、語源はbathala(神)に由来すると言われています。つまり、「バハラ・ナ」というのは、本来「あとは神様にお任せ」というわけです。Bahalaはこれ以外にもいろいろな表現に使われています。たとえば、Bahala ka.(バハラ・カ)。「バハラ」は神ですから、バハラ・カを直訳すれば「あなたが神」になります。どういう意味かというと、「勝手にすれば」という意味なんです。たとえば、「あの女の子口説こうかどうしようか」「バハラ・カ。勝手にすれば」なんていう時に使う表現です。
Bahala ka sa buhay mo. (バハラ・カ・サ・ブーハイ・モ)。これはさらに進んで「ブーハイ・モ(あなたの人生)」がくっついて、「あなたがあなたの人生の神」。つまり「あなたの人生なんだから勝手にすればいいんじゃない」となります。これは単なる「バハラ・カ」よりもちょっと苛立ちが感じられる表現ですね。
「お金は私が払うから」は「アコ・アン・バハラ」「あの人が全部払う」は「シヤ・アン・バハラ」
Ako ang bahala.(アコ・アン・バハラ)。「アコ」は「私」ですから、この場合、「私が神だ」になってしまいますが、これは「私に任せて」という意味です。「映画を観に行こう、え、お金が無いから観られない?じゃあアコ・アン・バハラ。(お金は私が払うから)任せて。」というような時に使う表現です。つまり、私を頼りにしていいよ、という意味になるわけです。同様に「あの人が取りしきる」「あの人がお金は払うから」なんて時もSiya ang bahala(Siya(シヤ=「彼、彼女」)).と言えばオッケーです。
プリント
飛行機修理も「バハラ・ナ!」
「バハラ・ナ」と言えば、こんなエピソードがあります。お友達のTさんは某航空会社の元客室乗務員です。昔は飛行機の調子が悪く、よく修理で遅れることがあったそうです。修理が終わって片付けしている人に「直ったの?」と聞くと、「バハラ・ナ!」という答えが返ってきたそうです。聞いたTさんはもちろん「ええ~!?」と思ったそうですが、それが事故の原因になったことは一度も無かったとのこと。飛行機が「バハラ・ナ」で飛んでしまうとはびっくりですが、今は飛行機も良くなったので、そういうことも無いようです、とTさんは仰ってました。

文:デセンブラーナ悦子
日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。

◎ Navi Manila Vol.31 より

Advertisement