円→ペソの両替は?

この記事をシェア

2014年11月29日

 [両替は空港で小額を、残りは市内のモールなどで] 

 円からペソへの両替は空港の両替所だとどうしてもレートが悪くなるため、5,000円程度の必要最低限の額を替え、残りの額は市中両替商かショッピングモールの中にある両替所で替えることがお勧めだ。両替のレートはまちまちだが、以下のサイト「XE通貨換算ツール」などであらかじめ調べておくと一つの目安にはなるだろう。
身近なモールだとマカティ市ではグロリエッタ、グリーンベルト、シューマート(SM)などがある。
編集:「ナビ・マニラ」 Navi Manila

Money Change2[「手品両替師」に注意!]

 首都圏マニラ市内の両替商で、外国人旅行者らが手品まがいの手口で両替した現金をだましとられる事件が過去に多発している。手口は、店員が紙幣を数える際に客の目を盗んで目に留まらないような早業で紙幣を抜き取るものと、「小銭を混ぜてあげる」と親切そうに分厚い100ペソ札を用意し、実際は半分の枚数の札束を二つ折りにするなどして数え、素早い指の動きで客の目をごまかすというもの。他より高いレートを提示する路上両替商は特に危ないので、絶対に避けること。シューマート(SM)などショッピングモール内の両替商は比較的安心できる。ただし両替の際には、店員から手渡された紙幣を店員の目の前で数え直すなどの確認は必要である。

過去の事件からみえてくる「両替詐欺師」の手口

  事例1)  
首都圏マニラ市エルミタ地区の両替商で現金四万円をペソに換金しようとした東北大学の院生らが、客のすきをみて紙幣を抜き取る「手品両替師」の被害に遭い約2万円をだましとられた。

 院生らによると、両替商の店員は4万円に相当する1万ペソを100ペソ紙幣100枚で渡した。院生らがその場で確認しようとした際、店員がしきりに札束に触れようとしてきた。院生らは金額を計3回確認したという。その後、宿泊先のホテルに戻り、金額を確認し直したところ、約5000ペソしかなかったという。5000ペソを抜き取ったとみられる両替商のレートは1万円=2500ペソで、周辺の両替商の中でも最高だったという。

  事例2)  
 首都圏マニラ市エルミタ地区で午後七時ごろ、東京都豊島区の日本人旅行者A子さんは日本円をペソに両替しようとして、現金約3000千ペソをだましとられた。同市西部署の調べでは、A子さんは同地区の路上でフィリピン人男性に「1万円を2500ペソで」と声を掛けられ現金2万円を5000ペソに両替した。男性に紹介された両替商の従業員が一度手渡した5000ペソに何度も手を触れようとするのを不審に思ったA子さんは5回、数え直し金額に間違いがないことを確認。その直後、宿泊先のホテルで金額を確認したところ、100ペソ札20枚と10ペソ札16枚の計2160しかなかったという。同地区では外国人旅行者らが手品まがいの手口で両替した現金をだましとられる事件が多発。A子さんもこの「手品両替師」の被害にあったとみられている。

  事例3)  
 国家捜査局(NBI)は、日本人男性とフィリピン人妻から両替の際に12万ペソをだまし取った疑いで、マニラ市エルミタの両替商の比人女性2人を逮捕、送検したと発表した。
 調べでは、男性は妻らとともに2000万円をペソに両替しようとレートの良い両替商を探していた。マビニ通り沿いの両替商が提示した1万円で5060ペソというレートが一番高かったため、ここに決め、受け取ったペソを数えると1000万ペソしかなかった。男性が残額の12万ペソを渡すよう求めると、容疑者たちはレートはたった今、1万円で5000ペソに下がったと強弁。男性は両替をキャンセルしようとしたが、「日本円はすでに銀行に預けた」として相手にせず、12万ペソを奪った疑い。
 NBIのワイココ長官は記者会見で、「この機会に首都圏にはこのような両替商があるということを皆に警告したい。両替は銀行でした方がより安全だ」と述べた。
 マニラ市のエルミタ、マラテ両地区では、外国帰りの比人や外国人観光客を狙った外貨両替詐欺が後を絶たない。ペソを渡す際にいったん客に金額を確認させ、それを再び受け取って封筒に入れる際に一部を抜くのが一般的な手口。だが、中には、外貨にペソの両替レートを掛けると、自動的に少ない金額が表示されるよう店の計算機に細工している「つわもの」もいるといい、業界関係者は「自前の計算機を持参し、店を信用しないでほしい」と話している。

  事例4)  
 パサイ市の両替商で日本人女性が36000円をペソに両替した。実勢レートに従った場合、総額15000ペソを超えるはずだったが、実際に受け取った現金は「13800ペソ」。女性は両替商を立ち去った後に金額が少ないことに気付き、直ちに店へ戻って店員に、「1万円=4250ペソ」のレートで両替した場合との差損分約1500ペソを支払うよう求めた。これに対し、店員側は計算書一枚を差し出しただけで、現金の支払いは拒否。業を煮やした女性側は首都圏警察パサイ署に通報し、警官が駆け付けた。ところが、店員が「わたしはパサイ署長の友人だ」と言うと、警官はすごすごと署へ逆戻り。結局、女性側は被害届を出しただけで「泣き寝入り」となった。

  事例5)  
 首都圏マニラ市マラテ地区の両替店で日本人女性が「両替詐欺」の被害に遭い、現金7万ペソをだまし取られたとして首都圏警察マニラ市本部に届け出た。女性が警官とともに両替店の店員らを問い詰めたところ、金額の不足を認め35000ペソは返金した。しかし、残金は「翌日返す」と言ったまま行方をくらました。
 調べでは、女性は午前十一時ごろ、同地区マビニ通り沿いにある両替店で現金30万円を1万円=4990ペソで両替した。店員が数えながらカウンター越しに現金を女性に渡し、女性もメードの比人女性と共にその場で何度も金額を数えて確認したという。女性は金額がちょうどだと思い、持ってきた封筒に換金したペソを入れ持ち帰ったが、自宅で再確認してみたところ、7万ペソ足りないことに気が付いた。
 女性が数時間後に警官を連れ同店に戻り、店員を問い詰めたところ、店員は金額の不足を認め35000を返金した。残金を後日返金するという話だったが、その日にに女性らが行ってみると、別の店員が働いていた。返金を約束した店員らの行方は不明。比滞在歴8年の女性は事件当日、路上で15歳くらいの比人少年に声を掛けられ、レートがいいからと両替所に案内されたという。女性が同地区でいつも利用している両替店ではなかった。

  事例6)  
 首都圏マニラ市エルミタ地区マビニ通り沿いの両替店で日本人女性が両替詐欺被害に遭った事件に関連して、女性が被害に遭った同両替店から100メートルしか離れていない別の両替店で、自営業の日本人男性が約35万ペソをだまし取られていたことが分かった。首都圏警察マニラ市本部によると、同地区一帯は違法両替店が多く、詐欺被害が頻発しているという。被害に遭った男性によると、道を尋ねるため偶然立ち寄った同地区サンタモニカ通り沿いの同両替店で、日本語の分かる女性店員と知り合い、レートがいいからと両替を勧められた。
 男性はいったん宿泊先のホテルに戻り、現金300万円を持って両替店へ戻った。中には女性店員が5人おり、男性が入ると店員らは入り口の鍵を掛け、カーテンを閉めた。
 両替後のペソ紙幣はすべて500ペソ札。女性店員2人が紙幣を数えながら1万ペソずつ束にし、十字型になるよう交互に束を重ねる作業を続けた。その間、男性は紙幣に触れないよう指示されたという。
 さらに店員2人はそれぞれ10万ペソごとに、十字に重なった紙幣の束をカウンター上でそろえ、鉄格子越しに男性に渡した。店員らは束をそろえる振りをして、カウンターの内側で紙幣を抜いているように見えたという。
 このため、男性は渡された束を自身でも数え、金額が足りないことに気付いて店員に数え直させた。
 しかし、それが何度も繰り返しているうちに金額の計算があやふやになったという。また、別の女性らが止めどなくフィリピノ語で男性に話し掛けていたこともあって、計算に集中できなくなったという。紙幣の数も多く面倒になったため、男性は店員らが渡した束をそのまま持ち帰ったが、後で再確認してみると、半額近い約70万ペソ足りなかった。数時間後に首都圏警察マニラ市本部第5分署に通報し、警官と一緒に同店へ戻ると、店はもぬけの殻になっていたという。
 しかし、警官が店の裏側にいた女性店員1人を見つけ出し、問いただしたところ、店員は不正を認め「留置所に入りたくないから」と、男性に手持ちの現金約35万ペソを返金したという。
 男性は同店近くにしばらくとどまり、残金を取り戻そうとしたが、警官に「危険だから」と止められたという。
 残りの約35万ペソは現在も戻らないまま。この両替店は4月ごろに営業を再開したという。
 同地区をパトロールしている同分署の警官は「同地区一帯には数多くの両替店があるが、許可のない違法両替店が多い。両替詐欺に遭ったという話はよく聞く」と話している。

編集:「ナビ・マニラ」 Navi Manila

Advertisement