マニラ現地紙ナナメ読み 44

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2022年8月31日

 

燃油サーチャージ、値下げ

 

 

[8月17日・フィリピンスター電子版]9月以降に旅行予定の方に朗報。民間航空委員会(CAB)の指令に準じて、フィリピン各航空会社が燃油サーチャージの引き下げを発表。つまり、航空券の価格が下がるといううれしいニュースだ。

 

 

 フィリピン航空の広報担当者によれば、この価格変更は9月に購入されるチケットに適用される。セブパシフィックも同様に、燃油サーチャージの値下げを発表。セブパシフィックの最高商務責任者はフィリピンスターの取材に対し「この値下げによって航空券予約数は増加するだろう」と飛行機を利用した旅行者の増加に期待を膨らませている。

 

 

 エアアジア・フィリピンももちろん例外ではなく、9月から始まるフィリピンのクリスマスカウントダウン「バーマンス(-ber months)」にぜひ利用してほしいとのことCABは今後、ジェット燃料の国際市場の価格変動に合わせて、燃油サーチャージをさらに減額、あるいは航空券代に加算しない可能性を示している

 

 

(Wikimedia Commons Public Domain)

 

 

 ちなみに、フィリピン系の航空会社が燃油サーチャージの値段を下げる一方で、日本の航空会社は8~9月分の燃油サーチャージ値上げに引き続き、1011月発券分のさらなる値上げを発表(まにら新聞より)。フィリピンと日本の間でこうも価格変動の方向性が反対だと、そもそも燃油サーチャージとは何なのか、仕組みがよくわからなくなってくる。

 

 

 とにもかくにも、フィリピン日本間を行き来したい方、フィリピン国内旅行を計画している方には嬉しいニュース。ぜひみんなでフィリピンの航空会社に貢献しよう。

 

 

 

 

偽のルームレンタル広告にご注意

 

 

[8月17日・インクワイアラー]2年間のオンライン授業を経て、着々と対面授業を再開し始めている各教育機関。それに伴い多くの生徒がそれぞれの地元から学校のある街へ引っ越してきているわけなのだが、その生徒たちが偽のルームレンタル広告の被害にあう事件が発生した。警察が現在2件の被害届をもとに調査を進めている。

 

 

 バギオ市に住むとある家族は、1人の生徒とその母親が家を突然訪ねてきたことで、自分の家がルームレンタルの広告に出されていたことを知ったという。その生徒はすでに部屋の頭金を支払っていたとのこと。つまり実際には貸し出されていない部屋の頭金をだまし取られる詐欺被害にあったということだ。

 

 

(イメージ写真)

 

 

 別の被害届では、2016年に財布を盗まれていた女性のIDが、偽の下宿先の登録IDとして使用されていたと報告されている。このような被害事件はコロナ禍以前から起きていたが、今回パンデミックが落ち着いてきて人の移動も増えたことから、再び詐欺師たちも動き始めたということらしい。

 

 

 バギオは大学都市であるため、多くの学生が滞在している。市政府による現在の正確な学生寮の数は発表されていないが、許可を得ていないものも含めれば200から400ほどの学生寮があると推測される。

 

 

 語学留学でも有名なバギオ市。基本的に語学学校であれば付属の寮が用意されていることが多いと思うのだが、部屋に限らず、多額の支払いや契約が発生するときは常に気を引き締めていきたい。もちろんバギオ市だけでなく、このような被害事件はフィリピン全土で起こりうる。これから新生活、という時に詐欺被害にあったなんて幸先不安にもほどがある。新生活に伴い高額な買い物や新たな契約をされる方、注意されたい。

 

 

 

 

フィリピンの知られざる怪物伝説

 

 

[8月23日・デイリートリビューン電子版]おかしな怪物伝説で溢れているフィリピンの神話。メジャーどころのアスワン、エンカント、カプレ、チクバラン、ティヤナクなどはご存じかもしれないが、今回はフィリピンの知られざるマイナー怪物たちをいくつかご紹介したいと思う。

 

 

1.アニアニAni-ani

 

 アスワンとカプレが組み合わさったような怪物のアニアニは、18フィート(約5.5メートル)あり、きついヤギのにおいを放つヒューマノイドである。アスワンのように牛や馬などの動物に変身可能であるが、血を吸わないという面で違いがある。旅行者の道を邪魔するなどのいたずらで悪名高く、カプレのように木の上でよく喫煙しているところを目撃されるという。

 

 

2.ブニスニスBungisngis

 

 バタアン州オリオン町に生息するといわれる一つ目怪物は、その特徴的な笑い声からブニスニスと名付けられた。しかしそんな可愛らしい名前とは裏腹に、ブニスニスは醜い容姿を持った人食い怪物である。

 

 

3.バクヌワBakunawa)・バコナワBaconaua

 

 バクヌワ(バコナワ)は半分ドラゴン、半分ヘビの姿をした冥界の神。月食の原因として言い伝えられており、かつて7つあったと考えられていた月のうち6つを飲み込んでしまったという伝説がある。

 

 

4.シグビンSigbin

 

 シグビンに関しては諸説あるようだが、基本的にラテンアメリカで知られるチュバカブラと特徴は同じだそう。カンガルーのような、はたまた角のないヤギのような見た目だとか。

シグビンに似ているという南米の未確認生物チュパカブラ(Wikimedia Commons Public Domain)

 

5.バルバルBal Bal

 

 バンパイアのようなこの怪物は、死体を好み、墓や葬式などで食事を見つける。睡眠術を心得ており、食事にありつけるために、葬式参列者を眠らせることもある。食事後は、人間をだますために、食べてしまった死体をバナナの木とすり替えるのだそう。

 

 

 以上デイリートリビューンで紹介されてた5つのフィリピンマイナー怪物伝説をお伝えしてみたが、いかがだっただろうか。このような伝承の他にも、フィリピンにはたくさんの怪物や都市伝説がある。1年中悩まされるフィリピンの暑さを吹き飛ばすためにも、フィリピンの友人たちとお互いの国の怪談話や都市伝説をシェアしあうのも面白いかもしれない。

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