マニラ現地紙ナナメ読み 6 

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2020年9月4日

最も多い密輸品

 

 海外からのフィリピンへの密輸品で最も多いもの。税関局によれば、それはたばこ。密輸に使われる高さ約12.2メートル、幅約2.5メートルのコンテナには1,200箱以上、末端価格にして総額約1,800万ペソのたばこが積まれています。たばこの密輸が最も多くなったのは、フィリピンでたばこと電子たばこの税金を引き上げられたことが関係しています。国内で製造されたたばこは1箱100ペソ以上で販売されますが、密輸たばこの値段は4分の1。密輸たばこの多くはカンボジア産でまず中国へ運ばれ、それからフィリピンへやってきます。今年8月だけで税関局は7件の密輸を摘発、30億ペソ相当のタバコを押収しました。

 以前、最も多い密輸品は米や砂糖だったそう。密輸品の食料から嗜好品への変化。これはフィリピンが豊かになった一面を示しているのでしょうか?(9月2日・マニラタイムズ)

こんな大きなコンテナにこれだけタバコを詰め込んでいたら、そりゃ見つかります。堂々と密輸しすぎです。(写真:Bureau of Customs 提供)

 

快適な? 刑務所暮らし

 

 ジェイルハウス(Jailhouse)というのは、刑務所、監獄のことですが、首都圏モンテンルパ市のニュービリビッド刑務所には、その広大な敷地の中に「家」があるそうです。そこは電化製品もそろっていてまさに快適で、汚く臭く、蒸し暑い独房とは違い、コンドミニアム暮らしのような感じらしいです。いったいどのような受刑者が収容されるのでしょうか。やはりVIP、Very Important Prisonerでしょうか。

 大都市にある刑務所を宿泊施設として貸し出せば、人気が出るという意見があります。たしかに現役の刑務所を宿泊施設として使い、受刑者体験ツアー(?)などを催行すれば人気の観光スポットになる可能性はあるのかも。不謹慎な気もしますが。 (8月31日・デイリートリビューン)

 

カラバオの憂鬱

 

 「私には夢がある。それは、低所得の家族でも手ごろな値段で牛乳を買えるようにすることだ」。シンシア・ビラール議員は上院農業委員会で述べました。そして、フィリピン水牛(カラバオ)センターの代表者に対し、イスラエルでは乳牛1頭で1日40リットルの牛乳が取れるが、同センターでは水牛1頭で1日3リットルから8リットルの牛乳しか取れていないと批判。さらに、「フィリピン産の牛乳は、国内の需要の1%も満たせておらず、輸入品は高くて低所得者層の子どもは牛乳を飲めない」「フィリピンの子どもの学力が低迷しているのは、牛乳が飲めないからだ」と攻撃。

 確かに、ほかの食品に比べてマニラでは乳製品の値段は高めで、オーストラリアやニュージーランド、フランスなどからの輸入品が多い。

 しかし、水牛は乳牛として適しているのでしょうか……。水牛のモッツアレラチーズは生産量が少ないから貴重だと聞いたことがあり。乳牛として期待されているカラバオは、乳を搾られながら「違うんだけどなぁ」と思っているのかも。(9月2日・インクワイアラー)

 

やはり水牛は乳牛とは違うと思うんですが・・・(イメージ写真)

 

ついに山下財宝が!?

 

 ミンダナオ地方北コタバト州トゥルナン町の川で遊んでいたロリーさんとブレントさんほか4人の友人は、ある日、洞穴を見つけました。外から隠れるようにしてあるその洞穴にスマートフォンの懐中電灯を頼りに入ってみると、洞穴の壁に何か輝く物が。「黄金では!?」と盛り上がるロリーさんたち。そして金のように輝く洞穴の壁を撮影し、SNSに投稿したところ、テレビ番組として特集されることになりました。

 テレビ番組では、洞穴近くに住む73歳の老人がインタビューに「洞穴の中で何かが光っているのは知っていた。日本人の軍人が金の延べ棒を洞穴に隠したという話を昔聞いたことがある」と答えました。

  いよいよ金塊発見の期待が高まる中、地質学者の登場です。そして、光って見えるのはこのような環境にいるバクテリアの一種であり、金ではないとあっさり結論を言いました。

 地元当局は、財宝ではないとわかっても、その洞穴が観光スポットになれば地元が潤う金脈になると期待を寄せています。(9月2日・デイリートリビューン)

 

 

 

 

 

 

 

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